飼育に必要な心構えと条件
里親としてペットを迎え入れる際には、「ペットの命を預かる」という心構えと、「ペットが健康的かつ快適に暮らせるようにする」ための条件を満たす必要があります。
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居住環境
ペットを飼う際の大前提は「ペットが飼育できる環境がある」ということです。
例えば、賃貸物件でペット飼育が可能な場合でも「条件付きで飼育OK」の可能性もあります。事前に確認を行いましょう。
ペットの飼育には適切な広さの飼育スペースが必要です。
普段から清潔にし、ノミやダニの寄生を抑えましょう。 -
近隣地域への配慮
ペットの鳴き声や糞尿の処理などで近隣に迷惑をかけないよう、しつけやマナーについて勉強し、実践できますか?
飼育しているペットが地域社会のなかで迷惑を及ぼさないように、育てていくことは飼い主の責任のひとつです。 -
家族全員の同意
家族と同居のもとペットを飼育する場合、家族みんながペットの飼育に賛成していますか?協力して世話ができるでしょうか?
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家族構成
出産を控えているご家庭、小さな子供がいる、未成年・学生・高齢者(例:60歳以上)だけが住んでいる、アレルギーや喘息持ちの家族が同居している…
このような場合はペットの譲渡ができない場合があります。
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適切な医療を受けさせる
ペットが突然の病気やケガを抱えた際にも、すぐに対応できますか?
急病はもちろん、慢性疾患の場合は長期的な治療を伴うため、医療費は決して安いものではありません。 -
高齢ペットの世話
高齢のペット(犬は7歳前後・猫は10歳前後)は、健康不安を抱える個体が多くなります。日ごろからの健康チェックが大切です。ペットが病気を抱えた際、どんな風に世話をしていくか考えていますか?
また、治療にかかる費用は持ち合わせていますか?
かかりつけの医療機関や相談できる仲間・家族がそばにいると心強いものです。 -
迷子時の対策
散歩などで外出する、もしくは脱走の可能性があるペットには「マイクロチップ」や「迷子札」の装着をしましょう。
保健所など行政施設には「所有者不明」として保護されるペットが相当数おり、誰かに飼育されていたペットでも収容期限が過ぎると殺処分となる場合があります。
マイクロチップや迷子札など、ペットの身元が分かるものが装着されていれば返還がスムーズに進み、無用な殺処分の数を減らすことができます。 -
災害時の備え
地震や火災が発生した際、飼っているペットの命を守ることができるのは飼い主だけです。
非常用の水や食料を備えておくとともに、避難の際にペットとすぐ移動できるようにトレーニングをしておきましょう。
(例えば、キャリーバッグへとスムーズに入れるようにしておく……など)
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ペットの世話
ペットに安全で快適な飼育環境を提供できますか?
毎日欠かさずにペットの世話をする時間を確保できますか?
あなたの身に何か起きた時や天災が発生した時など、ペットの飼育が困難になった時、ペットの命を守る方法を考えていますか? -
長時間または頻繁に留守をしない
頻繁に留守番をさせないよう、気をつけましょう。
種類もしくは個体による差はありますが、ペットを長時間孤独にしておくことは好ましくありません。ストレスによる問題行動を起こすこともあります。
一人暮らしや共働きのご家庭は、協力先の確保が必須です。 -
ライフスタイル
迎えたいペットの種類や大きさ、特徴などはあなたのライフスタイルに適していますか?
あなたは健康で、ペットの世話を日々行うことができますか?
例えば、犬を飼う場合は散歩が必要になります。プライベートの時間が減りますが、愛情を持ってペットと向き合えますか? -
先住ペットとの関係
もし先住ペットがいる場合は、先住ペットとの相性を確認することが大切です。トライアル飼育が可能な場合は、機会を設けるとよいでしょう。
多頭飼いとなる際には、先住ペットと新たに迎えるペットの両方について不妊手術(去勢・避妊)を行うことが譲渡条件となる場合もあります。
ここまで紹介してきた「飼育に必要な心構えと条件」は、譲渡に向けたやりとりのなかで、里親応募者へ実際に行われたアンケートや面談の内容をベースにしています。
こうした多岐にわたる条件を設けている理由は、保護した動物たちが新しい環境で幸せにすごしてほしいという思いからです。