忘れられない。
2011年4月22日午前0時。
その日福島第一原発20キロ圏内が警戒区域に設定されて
多くの動物たちが圏内に取り残されたまま、餓死や衰弱死などで
たった一つの尊い命を落としました。
当時のこと
『福島へ②』
https://ameblo.jp/nyancoouchisagashi22/entry-10870245604.html
自宅の環境やまたたび家の猫事情から
犬の保護が難しいため、積極的なことはできないのですが
今まで福島の仔たちや迷い犬など
『今、助けなければどうなる?』
の場面でワンコとの出逢いがあります。
その中の一頭。福島県大熊町。
原発3キロ圏内のお家の仔だった『ふく』。
福島時代の名前を『シュウ』。
2011年4月22日。
福島第一原発20キロ圏内が、警戒区域に設定された日に
車の助手席に乗せて一緒に帰って来た仔でした。
ふくにとっては故郷福島をあとにした日です。
午前0時設定と言いましても、過ぎてからも出る事はできました。
ぎりぎりまで町なかを回り
連れて帰れなかった…仔たちへのフードを置いて
車に乗せられる限りの仔たちを連れ出し
後部座席や荷台は、捕獲器やキャリーに入った猫たちがいました。
その時一緒に帰埼したふくは、
友人のおかげで友人のご近所の方のお家に
迎えていただけたのです。
後にふくの飼い主さんが見つかり
避難先からふくに会いに来てくださったこともありました。
ふくは埼玉で家族となってくれたYさんを常に守り
最後まで忠犬だったそうです。
賢いふくですから、ふくの恩返しだったような気がしてなりません。
そのふくが、大好きなYさんご夫妻に見守られながら
2月23日の夕方に亡くなったと友人が知らせてくれました。
19歳と7ヶ月。
大往生でした。
ふくは1年ほど前から、ほぼ寝たきりだったそうで
フクを介護してくだったYさんご夫妻も高齢になり足腰が辛い中でも
ふくが下半身を汚してしまう度にシャワーでキレイにしてくださっていたため
ふくの被毛はとても綺麗でツヤツヤでした。
ふくはYさんのもとで
最後まで愛されて手厚くお世話をしてもらい
ほんとうに幸せでした。
里親になってくださったYさんと
縁結びしてくれた友人Mちゃんに心から感謝を。
福島の福をとって『ふく』。
里親さんがつけてくださった埼玉に来てからの名前で、ふくはその一生を終えました。
ふく。
出逢ってくれてありがとう。
ふくにとって生まれ育った大熊町を出て
あの日あの時。
見ず知らずの私と一緒に出発することを選んでくれてありがとう。
ふく。
ずっと忘れないよ。
そして福島時代のふくの飼い主さんのお身内の方からも
昨日ご丁寧にお電話をいただきました。
その方々が震災当初、ふくを必死に捜してくださっていたから
ふくと飼い主さんとが繋がることができました。
再び一緒に暮らすことは叶わなかったけれど
ふくは大好きだった福島のお母さんに元気な姿で再会することができたのです。
3月11日が、また、まもなくやってきます。
飼い主のいない猫たちやセンターに収容された猫たちのことも考えながら
圏内に残された命も助けに行くことしか考えられなくて
8年通った片道300キロの道のり。
またたび家には
大熊町出身の『くまたん』
楢葉町出身の『ストラ』
この2ニャンが今も元気にまたたび家で暮らしています。
人馴れが不十分なくまたんとストラでしたが
ストラは随分前から触らせてくれるようになり
くまたんは触れられないけれど安心はわかってくれているように思います。
お家の仔になれる片道切符を手にできる里親さんとの出逢いだって諦めていません。
保護犬や保護猫を家族に迎える時。
その仔の生い立ちや保護されるまでのこと。
保護された後には、ただただ幸せを願って毎日愛情を注ぎ向き合っていた人たちがいること。
最後のバトンを受け取っていただく里親さんにも
それが届いてくれた時に初めて心底ホッとできます。
ふく。
波瀾万丈な犬生お疲れさまでした。
里親さんや友人たちのおかげで安心して過ごせる毎日と
幸せな最期を迎えることができましたね。
どうか、ゆっくり休んでください。
🐈⬛🌸🐈⬛🌸🐈⬛🌸
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またたび家
保護活動者プロフィール
保護猫シェルターまたたび家(またたびけ)と申します。
悲境な猫たちの多さに。大好きな猫たちのために。
もっとお仕えしたいと思い、猫たちのためのハウス(保護猫シェルター)をつくりました。
保護された猫が、またたび家での共同生活を送る中で、美味しい!嬉しい!楽しい!を感じられるように、シェルターボランティアさんを中心に時間のやりくりをして愛情を持ってお世話をしています。
皆、とても可愛くて愛おしい自慢の猫ですが、傷病猫やハンデのある猫も少なくありません。
すべての保護猫には幸せな家猫となって、終の棲家となる温かな家庭と家族を持ってもらうべく、毎週日曜日の午後にまたたび家を公開して、いつも過ごしている場所で、入室猫たちに会っていただける場を設けたり(お見合い)、また、定期的に里親譲渡会へ参加しています。
猫も里親さんもハッピーな縁結びを心掛けています。
そして、それが私たちの元気の源、活動の原動力となっています!
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