一人暮らしで里親になるのが厳しい理由

時間的な問題

一人暮らしの方は、日中仕事などで家を空けることがほとんどだと思いますが、その間、ペットは自宅で留守番をしなければなりません。留守の時間が長いと、ペットが適切なタイミングでごはんを食べられなくなったり、トイレが汚れっぱなしになったりするなどの問題が発生します。とくに子犬や子猫は消化器官が未発達なため、通常よりもこまめにごはんを与える必要があります。

また、留守の間に、体調を崩してしまって異変を察知できず、気が付いたときにはもう手遅れ……なんて事態になることも。

このように長時間の留守が前提となりがちな一人暮らしの世帯は、ペットの健康に影響を及ぼす可能性があるため、里親としては選ばれにくくなってしまうようです。

経済的な問題

ペットの飼育費用が捻出できるかどうかも、里親になるための条件のひとつです。

とくに一人暮らしの方は自分ひとりで生計を立てているケースが多いため、仕事内容や収入など経済状況の確認をされる場合もあるようです。

また、現時点で経済的余裕があったとしても、自身が急病になって働けなくなったら収入がゼロになってしまうことも考えられます。

そうなると再度ペットを手放してしまいかねないので、一人暮らしの里親希望者は譲渡の対象外にされることも少なくありません。

ライフステージの変化による問題

一人暮らしをしている方は、就職・転職・引っ越し・結婚・出産など、ライフステージの変化が多い傾向にあります。

もし、就職や転職によってペットのお世話をする時間がなくなったら?
もし、引っ越し先がペット不可の賃貸だったら?
もし、結婚相手や産まれてきた子どもがアレルギー持ちだったら?

このようなライフステージの変化で飼育が困難になったとき、ペットはどうなってしまうのでしょうか? 

また一人暮らしに限らず、未婚のカップルも同棲解消後にどちらが引き取るのかという問題が発生しやすいため、譲渡を断られるケースも多いようです。

一人暮らしでも里親になるためのポイント

これまでご説明してきた理由から、ペットの譲渡に「単身者不可」の条件を提示している保護活動者が多いですが、なかには「単身者可」「単身者は要相談」としている保護活動者もいます。一人暮らしでも安心して譲渡してもらうためには、下記のポイントを押さえておきましょう。

飼育環境の整備

ペットを飼ううえでは、適切な温度管理も必要になってきます。夏場は熱中症、冬場は低体温症を引き起こす場合もあるので、ペットが過ごしやすいようにエアコンの設定をしておきましょう。

また、ペットによっては留守中に電気コードを噛んだり、小さなものを誤飲したりする可能性も考えられます。危険なものはカバーで覆う、ペットの手が届かないところに片付けるなどの工夫をしてください。

もしものときの預け先を決める

今はペットをお世話できる状況でも、病気になったり、仕事を失ったりすることで、飼育困難な状況に陥ることも否定できません。

迎え入れる前からもしものことを考慮し、家族や友人など信頼できる人に声をかけ、ペットの預け先を確保しておきましょう。

一人暮らしでも飼育しやすいペットを迎える

月齢の浅い子犬・子猫は健康を崩しやすいため、留守の時間が長い一人暮らしの方は譲渡を断られることが多いです。里親になるときは留守番が可能になった成犬・成猫や、手のかかりにくい動物などに検討しましょう。

自分の想いをしっかりアピールする

これまででご説明した通り、多くの保護活動者は譲渡にあたってなんらかの条件を設けています。

ペットを迎える場合は一定の条件をクリアする必要がありますが、仮に条件をクリアしていても信頼できない人には譲渡してくれません。

自分が里親としてペットを迎え入れたらどのようにお世話をするのか、終生飼養する覚悟はあるのか、ご自身の想いをしっかりとアピールしましょう。

まとめ

一人暮らしの方がペットの里親になれない大きな理由として、時間的・経済的問題やライフステージの変化などが挙げられます。しかし飼育環境を整えたり、預け先を確保したりすることで、ペットを迎え入れられる可能性もゼロではないのです。

もし一人暮らしでペットの里親になりたいとお考えの方は、この記事を参考にしながらご希望のペットを探してみてはいかがでしょうか。