保護猫は懐かないの?
「保護猫は人に懐きにくい?」と思っている方は少なくありませんが、保護猫でも人懐っこい子は多くいます。
しかし、保護猫のなかには元野良猫や、人から虐待を受けて育った猫もいます。そのような猫は人に慣れておらず、警戒心が強いため、懐きにくいと感じるでしょう。
また、猫の性格によっては、人に甘えたり、くっついてきたりしない子もいます。
基本的には子猫のほう方が懐きやすいといえますが、成猫が懐かないわけではありません。成猫も時間をかければ、懐いてくれます。諦めずに時間をかけて愛情を注いでいきましょう。
猫が懐かない原因は?
猫が懐かない理由として、飼い主側に原因があるケースもあります。以下のポイントを確認してみましょう。
においがキツイ
犬ほどではありませんが、猫も嗅覚に優れています。そのため、猫が嫌がるにおいがする人には、懐かないことがあります。
猫が嫌がるにおいには、以下のようなものがあげられます。
- レモンやミカンなどの柑橘系のにおい
- タバコのにおい
- 香水のにおい
- 柔軟剤のにおい
香料としてさまざまなものに使用されている柑橘系のにおいですが、猫にとっては不快を感じるにおいのひとつです。野生で暮らしていた猫は、食べものが腐っていないかをにおいで確認していました。その名残から、酸っぱいにおいが苦手です。
また、猫はタバコのにおいを嫌がることが多いようです。さらにタバコは猫の健康を害するおそれがあります。人間よりも小さな体の猫は、有害物質の影響を受けやすいため、猫がいる部屋ではタバコを吸わないようにしましょう。
そのほか、香水や柔軟剤のにおいを苦手とする猫もいます。猫が近づいてこない、もしくは嫌がっている様子がみられたら、柔軟剤や香水は極力使わないようにするなどの対応をとりましょう。
騒がしく、大きな声を出す人
猫は聴力が優れているため、大きな声を出す人を警戒します。大きな声を出す人が苦手なので、猫に接するときは声のボリュームを落とすようにしましょう。
予測できない動きをする人
人間の予測できない動きにストレスを感じることがあります。落ち着きのない子どもも苦手です。
また、急に大きな音がすると驚いてしまうため、気を付けるようにしましょう。
過剰に構いすぎる人
猫に構うことは、悪いことではありません。飼い主と猫との間で信頼関係を築くためにも、スキンシップは重要です。
しかし、猫は犬と異なり、過剰なスキンシップを好まないことが多いです。
構いすぎてしまうと、猫はストレスを感じてしまいます。あわせて、食事中や毛づくろい中に構われることも嫌うため、注意しましょう。
猫に懐いてもらうための行動
猫に懐いてもらうためには、どのような行動をすればいいのかを解説します。保護猫がなかなか懐いてくれないと感じている場合は、ここで紹介する行動を試してみてください。
猫のお世話をする
猫との距離を縮めるためにすぐにできるのが、猫のお世話です。ごはんやおやつをあげる、トイレの掃除をする、ブラッシングや歯磨きといったケアをするなど、日ごろからお世話を通してスキンシップをとるように意識してみてください。
また、おやつを手であげながら少しだけ猫に触れてみるなど、短時間のスキンシップもおすすめです。
猫のペースに合わせてあげる
猫と早く仲良くなりたいからといって、焦るのは禁物です。猫の様子を確認しながら少しずつ触れ合いましょう。
先述した通り、猫は構いすぎるとストレスを抱え、懐いてくれなくなるおそれがあります。猫のペースに合わせて遊んだり触ったりするようにしましょう。
落ち着いた態度で接する
保護猫を迎えたばかりのとき、猫はその環境に慣れるので精いっぱいです。
周りの音や飼い主の行動、声などに敏感になっています。大きな音や声を出さないようにし、落ち着いた態度で接するようにしましょう。
猫の愛情表現とは?
ここでは、猫の愛情表現をご紹介します。以下で紹介する7つの行動が見られたら、保護猫が心を開いてくれたと思ってよいでしょう。
頭や体をスリスリしてくる
猫が飼い主に頭や体をスリスリと擦りつけるのは、甘えたいときにする行動です。
飼い主に自分のにおいをつけるマーキングの意味もあるといわれています。
これは、飼い主に「大好き」と伝えている行動でもあります。飼い主を信頼していなければできない行動でもあるため、猫がスリスリしてきたら、懐かれていると思ってもいいでしょう。
しっぽをピンと立てる
猫がしっぽを真上にピンと立てるのは、相手に好意を示しているときの行動です。
子猫のときに母猫に甘えるときしていた行動の名残と言われていて、「構って」「うれしい」などの気持ちを表しています。
ゴロゴロと喉を鳴らす
猫はが喉をゴロゴロ鳴らすときがあります。初めて聞くとびっくりするかもしれませんが、猫がリラックスしていたり、甘えたい気持ちになっていたりする証拠です。
飼い主に撫でられた際に、ゴロゴロと喉を鳴らすのは、「リラックスしているよ」「幸せだよ」と伝えているサインです。
また、それ以外にも要求を伝えるために鳴らすこともあります。食事やおやつの催促やをしている、構ってほしいときなど、なにかを要求しているときにも、ゴロゴロと喉を鳴らすのです。
しかし、一方でストレスを感じているときにも、喉を鳴らす場合もあります。この場合はいつもよりも低めのゴロゴロ音になると言われています。
手や顔などをなめてくる
飼い主の手や顔をなめるのは、グルーミングの意味があります。グルーミングは、親や兄弟など、信頼できる相手にしかしない行動です。
そのため、手や顔を舐められたら、懐かれている証拠といえるでしょう。
じーっと見つめてくる
猫は警戒しているとき、もしくは喧嘩をするときに相手をじーっと見るといわれています。しかし、大好きな飼い主の行動が気になるときにも、じーっと見ることがよくあるのです。
猫と飼い主の信頼度が高まると、見つめられる頻度も増えるでしょう。
さらに、目が合ったときに見つめたあとにまばたきをしてきたら見せたら、それは深い愛情をもっている表れです。猫にまばたきをされたら、こちらもゆっくりとまばたきをし返してあげましょう。
前足でふみふみしてくる
猫が前足でふみふみしている、かわいらしい姿を見たことがある方も多いかもしれません。この行動も、愛情表現の一つです。
子猫が母猫の母乳を飲むときにするしぐさで、甘えたい気持ちの表れです。
ただし、すべての猫がするわけではないので、ふみふみしてくれないからといって、懐かれていないと思う必要はありません。
甘噛みしてくる
猫が甘噛みするのは、子猫のときにした、親や兄弟とのスキンシップの名残です。痛みを感じない程度に噛む甘噛みは、飼い主を大好きな気持ちや、嬉しい気持ちを伝えています。
飼い主のそばに寄り添う
飼い主のそばに寄り添うのは、飼い主を家族として認めている証拠です。猫は警戒心が強い動物ですから、安全だと感じた場所にしか寝床を作りません。
飼い主のそばに寄り添い、そのまま寝る姿がみられたら、それは安心しきっていると思ってよいでしょう。
まとめ
警戒心が強い保護猫は、飼い主に慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。しかし、本記事で紹介した方法で愛情を注げば、懐いてくれるときがくるでしょう。
早く懐いてほしいからといって、構いすぎるのはNGです。猫にストレスを与え、警戒心をもたせる原因になりかねません。
猫の距離感やタイミングを見極めながらコミュニケーションをとり、猫との信頼関係を築いていきましょう。