迷い犬を見つけたら、どう保護したらいい?
迷い犬に遭遇する場所はさまざまなシチュエーションが考えられます。交通量の多い道路のど真ん中だったり、人がいない山道だったりするかもしれません。
もし迷い犬を見つけたらどのようにすべきか、いくつか例をあげて紹介します。
立ったまま声をかける
迷い犬らしき犬を見つけたら、まずはそのまま声をかけてみましょう。
このときに大きな声を出したり、つい駈け寄ったりしてしまわないよう気をつけましょう。
驚いて犬が逃げてしまう恐れがあります。
犬の目線に合わせてしゃがむ
声をかけたときに反応があれば、犬の目線に合わるように、ゆっくりしゃがんでみましょう。
犬と同じ目線にしてもう一度声をかけてみます。
犬から近づいてくれるまで待つ
犬がこちらに顔を向け、近づいてくれるまで待ちます。
焦らず、こちらからは動かないよう辛抱強く待ちましょう。
様子を見る
手の届きそうな位置まで来ても、焦らず、もう少しだけ様子を見ましょう。
このときに首輪やハーネスはついているか、つかめるものはあるか、確かめてみるのもよいでしょう。
低い位置から手を差し出す
可能であれば捕獲をしたいので、まずは犬に触れるか確かめるために、低い位置から手を差し出してみましょう。
犬の目線より高いところから手を出すと、犬がびっくりしてしまうかもしれないので、気を付けてください。
首輪やリードを装着する
首輪やリードが着いていたらそれらを利用し保持します。
こちらがリードやそれの代わりになるようなものを持っていれば使ってみましょう。
迷子のとき、犬もパニックになっていたり緊張していたりします。
保護を試みる側も焦らず、落ち着いて行動しましょう。
犬のほうから近づいてきたとしても、すぐに触ろうとせず時間をかけて慎重に行動してください。
保健所や動物愛護センターへの連絡は捕獲後だけでなく、捕獲が難しいと感じた場合にも可能です。
迷い犬を見つけた時点で連絡するのもよいでしょう。
交通量が多い場所で事故が懸念されるときには、警察に連絡をし、警察に保護の依頼をしてみましょう。
迷い犬を保護するときの注意点は?
迷い犬は興奮したり怯えていたりとパニック状態であることがほとんどです。
まずはお互いケガをしないよう気を付けましょう。
保護できたらリードなどで犬を安全な場所につなぎます。
この時点で警察や行政に連絡してもOKです。
犬が落ち着いたら鑑札や迷子札、首輪の裏など、身元を示すものがないか探しましょう。
マイクロチップの確認もできるだけ早くおこなうとよいでしょう。
※マイクロチップリーダー(読み取り機)は警察、動物病院、保健所、動物愛護センターなどが保有しています。
自宅に犬がいる場合
自宅で迷い犬を保護することになったとき、もしすでに犬を飼っている場合は、迷い犬と飼い犬の部屋を分けましょう。
ケンカなどのトラブルはもちろん、病気などの感染を防ぐためでもあります。
迷い犬を見つけた場合の連絡先は?
迷子札などに飼い主さんの連絡先があれば直接連絡をしましょう。
迷子札はないけれどマイクロチップが装着されていることがわかった場合は、マイクロチップデータベースへの問い合わせとなります。保健所や動物愛護センターであれば装着有無だけでなく登録情報まで確認が可能です。
犬が身に着けているもので飼い主さんの連絡先がわからない場合は下記の施設に連絡をいれましょう。
- 保健所(区役所/市役所)
- 動物愛護センター
- 警察(交番)
保健所や動物愛護センターへの問い合わせは多くのところが平日のみとなっています。
保護した日が土日祝や夜の場合は、平日にあらためて電話をかけましょう。
警察への連絡はいつでも可能です。保護した迷い犬は拾得物となりますので必ず連絡しましょう。
ちなみに上記の施設には、保護に至らなかった場合でも、目撃情報のみを伝えることが可能です。
目撃情報の提供は、愛犬を必死に探している飼い主さんが犬にたどりつく確率がアップするといえます。
迷い犬を見つけたときにやっておきたいこと
犬を捕獲し、警察と行政へ連絡したあと、もし自宅で犬を保護することになった場合はどうすればよいでしょうか。
安心できる環境を整える
犬が安心して過ごせる環境を整えましょう。
自宅に犬猫がいる場合は一緒にせず、離れた場所や別の部屋を用意するのがベストです。
ケージを用意できる場合は、ケージの上からタオルや毛布をかけ、視線や明かりが気にならないようにしてあげるとよいでしょう。
チラシやポスターを作成する
犬の写真、犬の特徴、捕獲場所、保護主さんの連絡先を書きましょう。(※届け出た警察署の電話番号を連絡先にできるケースもあります。警察で相談してください。)
作成したポスターを犬の発見した場所、捕獲場所を中心に広い範囲で掲示します。
チラシやポスターの掲示は、自治会(町内会)の掲示板や動物病院、コンビニやスーパーなどに協力のお願いをしてみるとよいでしょう。
インターネットで情報を拡散する
SNSを使って情報を発信しましょう。
インターネットには犬猫の迷子掲示板サイトもあり、これらは自身の連絡先を不特定多数の人が見えるところに載せなくてもよいというメリットがあります。
動物愛護センターも個人宅で保護している迷い犬情報を公開しています。届け出の際に掲載依頼をしてみましょう。
近所で聞き込みをする
チラシを配布、貼付しながら、または、保護した迷い犬を連れながら、近所で聞き込みをしてみましょう。
ラジオやフリーペーパーで情報を発信する
ラジオやフリーペーパーからの発信も有効です。
飼い主さんらしき方からの連絡がなかなかない場合には利用してみることをおすすめします。
地域によっては、個人宅で迷子犬を保護してはいけないという規則があります。
各施設への届出の際に必ず確認をし、必要な場合は保健所や動物愛護センターに保護してもらいましょう。
自宅での保護が難しい場合も必ず相談してください。
飼い主が見つかったとき、見つからないときは?
飼い主らしき方からの連絡が入った場合には必ず飼い主である証明をしてもらいましょう。
なかには犬が欲しいがゆえに飼い主を名乗る人もいます。
身分証に加え、犬と一緒に写っている写真など飼い主である証明の有無も確認する必要があります。
飼い主が見つからないとき
迷い犬は拾得物法が適用されますので、保護から3カ月が保管期間となります。
つまり自宅で保護をする場合は保管期間である3カ月は飼い主さん探しをおこなわなければなりません。
この期間を過ぎると、所有者(飼い主)が見つからなかったということで、前所有者の所有権は切れ、自分の犬として飼うことも、新しい飼い主さんへ譲り渡すこともできるようになります。
保健所や動物愛護センターなど行政に保護してもらった場合は、拾得物法から動物愛護法の適用に切りかわります。
保管期間はなくなり、保護日から公示期限が設けられ、期限内は迷い犬収容掲示板等に掲載され飼い主探しがおこなわれます。
期限内に飼い主さんからと連絡がつながらなかった場合には、譲渡対象となるか健康診断などがおこなわれます。譲渡可能と判断されると、迷い犬から保護犬へと切りかわり、行政または愛護団体を通して、新しい飼い主さん探しが始まります。
まとめ
飼い主さんが見つかったときや見つからなかったけれど保管期間を過ぎるなど、飼い主探しを終了するときには必ず、貼付したチラシやポスターの回収、ネットの掲示板や投稿したSNS記事の削除をおこないましょう。
犬の写真や連絡先など個人を特定できてしまう情報を載せているはずです。
保護時はとにかくあらゆる方法で発信をし、解決時は安心してしまうためか忘れがちな作業です。気を付けましょう。