犬に留守番はできる?
犬に留守番は可能です。
ただし、どんな犬でも最初から問題なく、上手に留守番ができるわけではありません。
長時間、人の目が届かないところに孤独でいると、不安や退屈のあまり家具や電気製品にいたずらをしてしまい、時には重大事故につながる可能性もあります。
犬に留守番をさせるためには、家族がいない環境でも不安にならないよう、孤独に慣れる練習が必要です。
また、家具や電気製品、電源コードなどにいたずらをしないよう安全対策を講じるとともに、誤飲・誤食による事故につながるサイズのものは片付けておくことも大切です。
落ち着いて留守番ができるようになった子でも、長時間の留守番は犬にとって退屈で、辛いものです。
家族がいないことの寂しさや、ストレス解消のための散歩の時間を考慮すると、留守番は長くても12時間くらいが限度。
とりわけ子犬や老犬は体調が変化しやすいため、留守番の時間はできるだけ短くしてください。
どうしても長時間になる場合は、ペットホテルやペットシッターを利用するなど、人が世話をする段取りをつけておきましょう。
保護犬の場合、引き取れないことも
保護犬を迎えようと思っていても、留守番時間が長い家庭では、引き取れない可能性があります。
一方、保護犬を預かるボランティアが、留守番のしつけをしてくれている場合もあります。
犬を保護している行政やボランティアの方針や、犬の年齢、性格、生活状況にもよりますので、詳しい譲渡条件をあらかじめ確認しておく必要があります。
犬のお留守番トラブルで、気をつけたい4つのポイント
破壊、イタズラ、誤飲事故
犬が留守番中にするイタズラとして、家具の破壊行為があります。
カーテンを引きちぎる、床を掘って傷だらけにする、壁やドアを引っかく、コンセント類を噛みちぎるなどは、SNSやブログでもよく報告されていますね。
また、ティッシュペーパーやクッションの中綿を出してしまったり、落ちている靴下や衣類を食いちぎったりすると、誤飲・窒息につながる場合があります。
無駄吠え、遠吠え
寂しさから吠えたり、クンクンと鼻を鳴らしたりする犬もいます。
遠くにいる仲間や家族を呼ぶように遠吠えを繰り返したり、留守中に訪れた配達業者などに対して、扉の向こうから激しく反応したりするのも、無駄吠えの一種です。
ふだんは大人しくていい子なのに、留守番中だけ吠えるようになって、ご近所からの苦情ではじめてわかるケースもあります。
トイレの失敗
いつもなら決められた場所できちんと排泄ができるのに、留守番となると粗相をしてしまう犬がいます。
場所を少し外してしまったという様子ではなく、まるで抗議をするかのように、明らかに異なる場所でする、カーペットや家具におしっこをかけるという場合もあります。
中には食糞をする子もいて、1日のうんちの少なさや口のニオイで飼い主が気づくこともあるようです。
ストレス
群れで暮らす習性のある犬にとって、留守番は苦手です。
留守番が長いと、コミュニケーション不足からストレスをためて、食欲が落ちたり、神経質になったり、分離不安症のような症状を見せる子もいます。
愛犬に安心を与え、留守番に慣れさせるコツ
まずはトイレトレーニングを
犬に長時間の留守番をさせるためには、トイレのしつけや習慣ができていることが条件になります。
室内トイレのしつけが不十分なまま留守番をさせると、排泄物で部屋を汚してしまう可能性が高くなります。
また、しつけをする機会が少なくなるため、トイレを覚えるのも遅くなってしまいます。
ハウストレーニングで安全な場所を教える
犬にとって安心できる場所を確保し、そこに慣れてもらうために、ハウストレーニングをおこないましょう。
「ハウスは安心・安全な場所」と犬が覚えてくれれば、留守中も何かあれば自分からハウスに入って、落ち着いて過ごせるようになります。
短時間の留守番から少しずつ長く
最初から長時間の留守番をさせると、犬は不安が先立ってしまい、留守番のトレーニングもうまくいかなくなります。
飼い主はまず、ゴミ捨てや近所への買い物などの機会を利用して、5~10分程度の留守番から慣れさせます。
慣れてきたら30分、1時間と時間を伸ばし、犬に成功体験を積ませながら、家の中での留守番に不安のないことを覚えてもらいましょう。
犬にとって過ごしやすい環境を整える
少しでも安全、快適に留守番ができるよう、愛犬が過ごしやすい環境を整えてあげましょう。
夏は冷房、冬は暖房を調整し、季節に関わらず十分な飲み水を用意します。
誤飲・誤食につながるものは片付け、コンセントにつながる電気製品のコードは犬に届かないようにしておくなど、事故対策もしっかりと確認してください。
犬の留守番に活用したい便利グッズやサービス
自動給餌器
留守番が長時間になる場合や、短い時間でも食事の時間に留守番させる場合は、自動給餌器が便利です。
あらかじめセットした時間になると空の食器にドライフードが補給されるタイプや、自動で食器の蓋が開くタイプなどがあります。
ウエットフードをセットできるタイプの場合、暑い季節は腐敗を防ぐために、置き場所や温度管理の工夫も必要です。
ペットカメラ
最近は、留守番中の愛犬の見守りをしてくれる「ペットカメラ」が注目されています。
ペットカメラを利用することで、愛犬がどんなふうに過ごしているのかを外出先のスマートフォンやパソコンからチェックできます。
外出先からカメラの向きを変えたり、声をかけたりすることができるものや、自動給餌器と一体になっているもののなど、便利な機能がついているものもあります。
知育おもちゃ
留守番中の愛犬の暇つぶしには、知育おもちゃがおすすめ。
犬の知育おもちゃは、上手に動かすことで内部に入れておいたフードやおやつが出てくるように設計されており、退屈せずに遊ぶことができます。
こうした知育おもちゃの多くは、犬の大きさ別に複数のサイズが販売されていますが、小型犬用のおもちゃを大型犬に与えると、力で破壊してしまい、誤飲を起こす可能性があります。
事故防止のために、愛犬にあった大きさのおもちゃを選びましょう。
ペットシッター、ドッグウォーカー
長時間の留守番は、犬にとってストレスになります。
特に活動量の多い若い犬にとって、運動不足は破壊行動につながりかねません。
長い留守番が続くご家庭では、愛犬のストレス対策にペットシッターやドッグウォーカー(お散歩サービス)を依頼して、散歩をお願いするのもよいでしょう。
まとめ
できることなら留守番などさせずに、毎日どこにでも連れていきたい愛犬。
しかし、仕事や学校など人が社会生活を行うためには、愛犬の留守番は避けることができないものです。
今回は留守にする家族も、家で待つ犬にとっても、少しでも安全に、安心して留守番をさせるためのさまざまな情報を紹介してきました。
愛犬の年齢や性格、体調、家庭環境に合わせて、応用を利かせながら活用してくださいね。