成犬でもトイレのしつけはできます 

成犬とトイレットペーパー

トイレのしつけができていない成犬を迎えた場合、「覚えてくれないのでは……」と不安になる人も多いでしょう。
でも、大丈夫。成犬でもトイレのしつけはできます。

確かに、子犬はトイレの頻度が多い分だけ教えるチャンスがあることや、生活習慣が定まっていないため柔軟に受け入れやすい傾向にあるなど、トイレを覚えさせるのに有利な状況にあります。
しかし、コツさえ押さえれば、成犬からでも問題なくトイレを成功させることが可能です

成犬のトイレのしつけ方法

しつけ中の犬

トイレの環境づくり

寝床や食事の場所から離れたスペースに、ペットシーツを敷きましょう。
最初はどこでしてもいいように、部屋いっぱいに広い範囲で敷くのがおすすめ。どの場所なら愛犬が排泄しやすいのか確認できたら、そこを残すようにしつつ、少しずつシーツを敷く範囲を狭くしていきます。

すでに外トイレの習慣がついてしまっている子は、ベランダや窓際など外の空気が感じられる場所にもシーツを敷いてあげましょう。
また、外の環境に近づけるために、土や雑草、鉢植えなどを近くに置いておくのもいいでしょう。

排泄のタイミングでトイレに移動させる

愛犬がトイレをする直前の様子を日ごろからよく観察して把握し、排泄したそうなそぶりをはじめたら、トイレに連れていきます。
一般的に、床のにおいを嗅ぐ、同じ場所でくるくる回ったり行ったり来たりする、腰を落とそうとするなどのそぶりのあと、排泄をすることが多いようです。
オスのおしっこの場合はくるくる回るだけでなく、同じ場所の匂いをしつこく嗅いでから、おもむろに足を上げる場合もあります。

生活時間の中でのタイミングとしては、寝起きや食後、水分をとってしばらく経ってからなどが多いようです。
寝起きや食後からトイレまでの時間を計測しておくと、トイレのしつけのタイミングもつかみやすいでしょう。

排泄時には声かけを

愛犬が排泄をしはじめたら、終わるまで「ワン・ツー」「シーシー」などの声をかけます
排泄と言葉(コマンド)を結び付ける必要がありますので、わかりやすい言葉を使って、はっきりと繰り返し声をかけてあげましょう。
愛犬が理解しやすいよう、トイレの際のコマンドはいつも同じ言葉を使います。
コマンドを教えるのは外トイレでもできますので、早速今日からはじめてみましょう。

成功したら褒める

トイレが成功したら、しっかり褒めてあげてください。
「ここで排泄したらいいことがある」と、愛犬が理解するようになります。子犬を相手するようにおおげさに褒めて、おやつをあげるのもいいでしょう。

犬がトイレを失敗する理由

トイレを失敗する犬

トイレのサイズが合っていない 

トイレトレーやシートの大きさが愛犬の体格と合っていないと、おしっこやうんちがシートの外にはみ出してしまいます。
小型~中型犬なら一回り大きいサイズのトイレシートに変更し、大型犬の場合はシート2枚を縦につないで使用するなど工夫してみましょう。

また、オスのおしっこは高いところに飛び散りがち。
トイレを壁際にセットして壁にもトイレシートを貼ったり、スタンドタイプのトイレトレーを使ったりするのもおすすめです。
トイレ専用のサークルやケージを用意するときは、洗濯ばさみなどを利用して、サークル内側にトイレシートを吊っておくと、サークル外への飛び散りを防ぐことができますよ。

トイレの場所が落ち着かない 

階段の近くや廊下など、家族が頻繫に通りかかる場所にトイレを設置すると、落ち着いて排泄できない犬もいます。
人の出入りが少なく、騒がしくない場所を選んで、トイレを設置してあげましょう。

寝床とトイレの距離が近すぎる

犬は自分の寝床近くでは排泄をしない習性があります。
やむを得ずサークル内にトイレトレーとベッドを入れる場合、できるだけ大きなサークルを用意して、トイレトレーとベッドの位置は離して設置します。

サークル内で長時間の留守番をさせるため、サークルにトイレトレーとベッドを一緒に設置しているご家庭もありますが、そこではトイレをしない犬も少なくありません。
この場合、まずはサークル外でトイレトレーニングをおこないましょう。トイレシートの上に排泄することを犬が覚えてから、トイレシートとトレーをできるだけ離してサークル内に設置します。

室内スペースに余裕があれば、トイレ専用のサークルと、ベッドを入れてくつろげるサークルの2つを用意しておくといいでしょう。
トイレ部分とベッドルームが分かれている、2ルームタイプのサークルも販売されています。

別の場所をトイレと認識してしまっている 

犬は嗅覚に優れた動物です。
嗅覚は記憶とも結びついていますので、トイレ以外の場所に排泄をすると、ついてしまった臭いから、その場所をトイレと認識してしまうことがあります。

トイレとして覚えてほしい場所以外に愛犬が排泄をしてしまったら、まずは清掃と消臭をしっかりおこないます。
同時に、トイレとして使ってほしいシートの上には、清掃に使ったペーパーや雑巾などで臭いを移しておくのもいいでしょう。

失敗を叱られた経験が悪影響している

トイレトレーニングを失敗して叱られたとき、排泄行為そのものを叱られたと犬が認識してしまうことがあります。
排泄した場所が悪かったと理解できずに、トイレ自体を悪いことと勘違いしてしまうのです。

トイレがうまくできなくても、飼い主は不機嫌になったり、逆にわざわざ犬を慰めたりしないのが、トイレトレーニングを成功させるコツ。
感情を表わさず淡々と排せつ物を片付けて、きちんと清掃と消臭をしてしまいましょう。

トイレのしつけにおすすめのグッズ

犬のトイレグッズ・消臭スプレー

トイレトレー

ペットシーツにいたずらをしてしまう子や、手足でひっかいて移動させてしまう子におすすめ。
トレーのふちにシートをはさんで使うタイプや、メッシュの下にシートをはさみ、メッシュを通して尿を吸収するタイプ、はみだし防止のためにトレーのふちを高くしているものなどがあります。

足をあげておしっこをする男の子用には、壁状(ウォールタイプ)のトイレトレーを使うと安心ですね。
それでもはみだしてしまうほど高いところにおしっこをかける子には、高さのあるL型やコーナー型のトレーを使うといいでしょう。

トイレをしつけるシーツ

愛犬のトイレトレーニングをサポートするペットシーツです。
犬の排泄を促す効果のある臭いがついているものや、爪先でひっかいても破れにくい素材を使用しているものなどがあります。

また、排泄を促す臭いをシーツにつけるためのスプレーも市販されています。
これらの臭いは人間にはわからないので、リビングルームなどで使用しても安心ですね。

消臭スプレー

トイレを失敗した場所に排泄物の臭いが残らないよう、消臭スプレーを利用するのもいいでしょう。
家庭用の塩素系漂白剤なども利用できますが、足の裏についたものを犬が舐めてしまう可能性もあり、ちょっと心配。
ペット専用消臭スプレーなら、犬の足に直接触れたり、舐めたりしても安全な消臭剤もありますので、表示をよく見て、しっかり考えて選びたいですね。

まとめ

トイレをする成犬

成犬の室内トイレトレーニングについての情報をお伝えしました。
もしも今、愛犬のトイレのしつけがうまくいかないのなら、まずは一つひとつチェックして、どうして失敗するのかを理解してあげましょう。
トイレのしつけを成功させるには、なによりも飼い主さんの観察力とタイミングよい行動が大切です。
最初からうまくいかなくても当たり前ですから、失敗しても焦らず、怒らず、根気よく取り組んでいきましょう。